※この記事は、「仕事と介護の両立」を考え始めた初期段階で、
まず知っておきたい制度のひとつである「介護休暇」について整理した内容です。
親の介護が現実味を帯びてくると、「仕事はどうなるのか」「休める制度はあるのか」が気になり始めます。
そのとき、まず知っておきたいのが介護休暇です。
介護休暇は、介護のために短期間・突発的に仕事を休むための制度です。
介護休暇の基本
介護休暇は、育児・介護休業法に基づく制度です。
対象となるのは、
- 配偶者
- 父母
- 配偶者の父母
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 孫
など、一定の範囲の家族です。
「同居していない親」つまり 遠距離介護でも対象になります。
何日まで取れる?
介護休暇は、
- 要介護状態の家族1人につき、年5日まで
- 対象家族が2人以上いる場合は 年10日まで
取得できます。
ポイントは、1日単位だけでなく、時間単位で取得できることです。
どんなときに使える?
介護休暇は、
「毎日介護する」ための制度ではありません。
例えば、次のような場面で使われます。
- 介護認定の申請・認定調査への立ち会い
- 病院受診や検査の付き添い
- ケアマネジャーや地域包括支援センターとの面談
- 急な体調悪化や転倒への対応
👉 「介護が始まりそうな時期」ほど使いやすい制度です。
有給?無給?
ここは、誤解されやすい点です。
介護休暇は、法律上は「無給」でも問題ありません。
- 給与が出るかどうかは、会社の就業規則による
- 有給扱いにしている会社もあれば、無給の会社もある
👉 必ず、自分の会社の就業規則を確認する必要があります。
介護休暇と介護休業の違い
名前が似ていますが、役割はまったく違います。
| 項目 | 介護休業 | 介護休暇 |
|---|---|---|
| 目的 | 介護体制を整えるためのまとまった休み | 通院付き添い・手続きなど短期対応 |
| 取得できる日数 | 対象家族1人につき通算93日まで | 年5日(対象家族2人以上で年10日) |
| 取得単位 | 原則、まとまった期間(分割取得も可) | 1日または時間単位 |
| 取得回数 | 最大3回まで分割可能 | 回数制限なし(年日数内) |
| 給与の扱い | 原則無給(※介護休業給付金あり) | 原則無給(会社独自の有給制度がある場合も) |
| 公的給付 | 雇用保険から「介護休業給付金」あり | 公的給付なし |
| 申請タイミング | 事前申請が原則 | 当日申請が可能な場合も多い |
| 向いている場面 | ・介護認定対応 ・ケアマネ・サービス調整 ・退院後の体制づくり | ・通院付き添い ・転倒後の一時対応 ・役所・包括への相談 |
| 遠距離介護での使い分け | 「最初の一度、しっかり帰省したいとき」 | 「その都度、必要な用事に対応」 |
介護休業と介護休暇は、どちらか一方を選ぶものではありません。
遠距離介護では「最初に介護休業」「日常対応に介護休暇」と、
役割を分けて考えると使いやすくなります。
遠距離介護の場合、いきなり介護休業を取るよりも、 まずは介護休暇で対応するケースが多いと思います。
遠距離介護での現実的な使い方
仕事を続けながらの遠距離介護では、
- 帰省そのものより
- 「立ち会いが必要な日」
に介護休暇を使うのが現実的です。
例えば、
- 認定調査の日
- 初回ケアプラン説明の日
- 主治医との重要な面談日
すべての帰省に使うのではなく、「外せない日だけ」に使うことで、限られた日数を有効に使えます。
「介護が始まる前」でも使える?
はい、使えます。
介護休暇は、
- 要介護認定が出ていなくても
- 医師の診断書がなくても
取得できます。
👉 「介護が必要になりそう」
👉 「その準備のため」
という段階でも、制度上は問題ありません。
まとめ|介護休暇は「最初に知っておきたい制度」
介護休暇は、
- 本格介護のための制度ではなく
- 介護が始まる前後の混乱期を乗り切るための制度
です。
遠距離介護では特に、
- すべてを自分で抱え込まない
- 仕事を続ける前提で制度を使う
ことが重要になります。
「まだ介護じゃないから」と遠慮せず、使える制度として知っておくことが、後々の自分を助けてくれます。
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