― 本人から・家族から、どう伝えるのが現実的か ―
主治医意見書は、医師が書く書類であり、家族が内容を指示できるものではありません。
それでも、「何も伝えなければ、生活の実態は伝わらない」というのが、多くの現場で起きている現実です。
この記事では、
- 本人から伝える場合
- 家族から補足する場合
それぞれの無理のない、現実的な伝え方を整理します。
主治医意見書をお願いする前に知っておきたいこと
まず大前提として、知っておいてほしい点があります。
- 主治医意見書は、市区町村から医師へ正式に依頼される
- 家族が「こう書いてほしい」と頼むことはできない
- 医師は、医学的判断+把握できた生活状況をもとに記載する
つまり、**伝え方の目的は「指示」ではなく「情報共有」**です。
本人から伝える場合の考え方
本人の言葉は、医師にとって重要
本人が話す内容は、医師にとって 最も尊重されやすい情報 です。
ただし、本人はこう言いがちです。
- 「大丈夫です」
- 「何とかできています」
- 「家族に迷惑はかけていません」
これだけでは、生活の困りごとはほぼ伝わりません。
本人から伝える時のポイント
1.「できないこと」を1つでいいので言葉にする
全部を話そうとしなくて大丈夫です。
- 「最近、薬を飲み忘れることがあります」
- 「一人で外出するのが不安です」
- 「家の中で転びそうになることがあります」
👉 1つ具体例があるだけで、意見書の印象は変わります。
2. 感情より「場面」を伝える
❌「大変です」「つらいです」
⭕「夜中にトイレに行く時、転びそうになります」
医師は、場面が浮かぶ情報を重視します。
本人にメモを持たせる場合の考え方
診察時間は限られています。
口頭で話すのが難しい場合、A4・1枚のメモはとても有効です。
本人用メモ|記載内容の例
・家で困っていること
例:薬を飲み忘れることがある
・最近できなくなったこと
例:一人で買い物に行くのが不安
・転倒やヒヤッとした経験
例:夜中にふらついたことがある
※丁寧なあいさつや敬語は不要
※箇条書きで十分です
家族から伝える場合の考え方
家族が伝える役割は、本人が言いにくい「生活の事実」を補足することです。
家族が伝えるときの基本姿勢
- 評価しない
- 要望しない
- 事実だけを淡々と伝える
❌「もっと重く書いてほしい」
「要介護2くらいは必要だと思う」
⭕「家でこういうことが起きています」
家族から伝える具体例
生活状況の伝え方(例)
・最近、薬が余っていることが増えています
・転倒しかけたと本人から聞いています
・配偶者も高齢で、十分な見守りができていません
👉 判断は医師に委ねるのがポイントです。
家族がメモを渡す場合の注意点
書いてよいこと
- 家で起きている事実
- 困っている行動・場面
- 支援が入っていない理由(遠距離・老老介護など)
書かないほうがよいこと
- 認定への不満
- 介護度の希望
- 感情的な表現
よくある不安とその答え
Q. 失礼になりませんか?
→ なりません。
医師にとっては 診察以外の貴重な情報です。
Q. メモを渡しても読んでもらえますか?
→ 多くの場合、意見書作成時の参考資料として目を通されます。
Q. 本人と家族の内容が違っても大丈夫?
→ 問題ありません。それぞれの立場からの情報として扱われます。
まとめ|伝え方の本質
主治医意見書をお願いするときの伝え方で大切なのは、
- 上手に話すことではなく
- 正しく評価してもらうことでもなく
**「家で起きていることを、事実として共有すること」**です。
完璧に伝えなくて大丈夫。
一言でも、一行でも、生活の実態が伝われば、それが意見書の土台になります。
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