介護保険の要介護認定では、主治医意見書に何が書かれるかで結果が大きく変わります。
でも実際には、
- 家では大変なのに、軽く見られた
- 困っていることが意見書に反映されていない
- 医師は病気のことしか書いていない
という声も少なくありません。
ここでは、主治医意見書に書かれやすい内容/書かれにくい内容を整理します。
主治医意見書に「書かれやすい内容」
1. 診察で客観的に確認できること
医師が診察や検査で確認できる事実は、ほぼ確実に書かれます。
- 診断名・既往歴
- 服薬内容
- 血圧、血糖、心疾患などの数値
- 麻痺、拘縮、歩行障害
- 医療処置の有無(インスリン、酸素など)
👉 「医療情報」=書かれやすいと覚えておくと安心です。
2. 明確な認知症症状(診察で確認できているもの)
- 診断がついている認知症
- 見当識障害(日時・場所が分からない)
- 会話の成り立ちにくさ
- 指示理解が難しい様子
診察中に確認できている場合は、比較的しっかり記載されます。
3. 受診時に家族が伝えた具体的な困りごと
医師は家での様子を知らないことが多いです。
そのため、
- 転倒が増えている
- 夜間に何度も起きてしまう
- 服薬管理ができない
などを具体的に伝えている場合は、意見書に反映されやすくなります。
主治医意見書に「書かれにくい内容」
ここが、つまずきポイントです。
1. 家でしか起きていない問題
- 家事ができない
- 入浴や着替えを嫌がる
- トイレを失敗する
- 食事を作れない、食べない
これらは診察室では分かりません。
👉 家族が伝えなければ、
「問題なし」と判断されることもあります。
2. 介護する側の負担・限界
- 家族が疲れている
- 仕事と両立が難しい
- 遠距離で支援が追いつかない
主治医意見書は「本人の状態」を書く書類なので、
介護者の負担は書かれにくいです。
※これは認定調査で伝えるのが重要。
3. 「できたり、できなかったり」すること
認定では**「できる」と判断されやすい**項目です。
- たまに一人でトイレに行ける
- 声をかければ動ける
- 調子のいい日は身支度できる
👉 医師が良い状態だけを見ていると、「自立」と書かれてしまうことがあります。
4. プライドや遠慮で隠してしまうこと
- 本人が「できる」と言ってしまう
- 家族が遠慮して言えない
- 医師に悪いと思って話さない
結果的に、実態より軽い意見書になるケースはとても多いです。
意見書に反映してもらうために家族ができること
ポイントは「具体性」
✕「最近大変で…」
〇「1週間に2回転倒している」
✕「認知症が心配」
〇「夜中に外に出ようとすることがある」
伝えるタイミング
- 受診時に同席
- 電話で事前連絡
- 受付に簡単なメモを渡す(対応可能な場合)
👉 **「市から意見書依頼が行く予定です」**と伝えるのがコツ。
認定調査との役割分担を知っておく
- 主治医意見書:医療的・医学的視点
- 認定調査:生活実態・介護の必要性
どちらか一方に頼らず、
両方で伝えることが大切です。
まとめ|書かれない前提で「つなぐ」
- 医師は「見えたこと」しか書けない
- 家での困りごとは、伝えなければ書かれない
- 書かれにくい内容こそ、家族の役割
主治医意見書は、「おまかせ」で出てくる書類ではありません。
家族が情報をつなぐことで、初めて実態に近づく
—それが、enkaigoで伝えたい現実だと思います。

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