「実家の親の物忘れが気になる。一度専門医に診てもらいたいけれど、遠方に住んでいる自分はどうやって病院を探せばいいのだろう……」
親に認知症の疑いが出てきたとき、一般的な内科ではなく、認知症の専門知識を持つ医師がいる「もの忘れ外来」や「精神科」「神経内科」「老年病科」を受診するのが鉄則です。
しかし、土地勘のない実家の地域で、評判の良い病院を見つけるのは簡単ではありません。この記事では、遠距離からでもスマホやパソコンを使って、実家近くの最適な専門医を迷わず見つけるための3つのステップを解説します。
ステップ1:公的な専門医療機関「認知症疾患医療センター」から探す
まず最初にチェックすべきなのが、国や都道府県が指定している「認知症疾患医療センター」です。
これは、認知症の鑑別診断、周辺症状(BPSD)への緊急対応、専門的な医療相談を行うために設置された公的な専門医療機関です。
具体的な探し方
- Googleなどの検索窓で「(親が住む都道府県名または自治体名) 認知症疾患医療センター」と検索します。
- 自治体の公式ホームページなどに、指定されている病院の一覧が掲載されています。
メリットと特徴
- 診断の信頼性が非常に高い:地域の認知症医療の核となる病院(総合病院や専門精神病院など)が指定されているため、MRIやCTといった検査設備、高精度な心理検査の体制が完璧に整っています。
- 地域のケアと連携している:診断後、地域のケアマネジャーや介護サービスへとスムーズにバトンタッチしてくれる体制があります。
ステップ2:日本認知症学会の「専門医・指導医所属施設リスト」から探す
「大きな総合病院は待ち時間が長くて高齢の親が疲れてしまう」「実家のすぐ近くにある個人クリニック(診療所)で、専門の先生に見てもらいたい」という場合は、学会の認定医を探すのが一番確実です。
日本認知症学会では、厳しい審査と試験をクリアした医師を「専門医・指導医」として認定し、その所属施設を一般に公開しています。
具体的な探し方
学会の公式ホームページにある「専門医・指導医・一般会員所属施設リスト」のページから、親の住むエリア(都道府県・市区町村)で絞り込みをかけます。
専門医・指導医の所属施設検索はこちら
メリットと特徴
- 信頼できるドクターをピンポイントで探せる:たとえ小さなクリニックであっても、認知症治療の最前線にいるドクターが在籍している病院を見つけることができます。近所のかかりつけ医として長く付き合いたい場合に最適です。
ステップ3:親の地域の「地域包括支援センター」に直接おすすめを聞く(最強の近道)
ネットでの検索が難しい、あるいは「リストが多すぎてどこが良いか選べない」という場合は、親の住むエリアの地域包括支援センターに電話で直接聞いてしまうのが、最も確実で失敗のない方法です。
地域包括支援センターとは、高齢者の医療・介護・生活に関するあらゆる相談を受け付ける、自治体の公的な相談窓口です。
相談の仕方のコツ
センターへ電話をかけ、以下のように伝えてみてください。
「遠方に住む子どもですが、今度帰省した際、親をもの忘れの検査に連れて行きたいと考えています。実家の近くで、評判の良い『もの忘れ外来』やクリニックをいくつか教えていただけませんか?」
メリットと特徴
- ネットには載っていない「リアルな評判」がわかる:センターの職員(社会福祉士や保健師など)は、日頃から現地の高齢者を様々な病院に案内しています。「〇〇先生は優しくて話をよく聞いてくれる」「〇〇病院は検査の予約が比較的取りやすい」といった、現場の生きた口コミを教えてくれます。
実家近くの地域包括支援センターを探すヒントはこちら
遠距離介護ならではの「病院予約時」の注意点
実家近くの病院候補が決まったら、必ずあなたが事前に電話で問い合わせ・予約をしてください(親任せにすると、予約を忘れたり、拒絶したりするためです)。その際、遠距離介護だからこそ確認すべき2つのポイントがあります。
① 初診の予約待ち期間を確認する(帰省の2ヶ月前に動く)
「もの忘れ外来」は非常に人気が高く、予約が1〜2ヶ月先になることも珍しくありません。お盆や年末年始の帰省に合わせて受診させたい場合は、直前ではなく、帰省の2ヶ月前には病院を探して予約を入れておく必要があります。
② 当日中に「検査から診断まで」が可能か確認する
何度も実家と病院を往復するのは、遠距離で働くあなたにとっても、高齢の親にとっても大きな負担です。
「遠方から帰省するため、できれば初診当日にMRIなどの検査を行い、ある程度の方向性(診断)まで進めてほしい」と予約時に事情を相談してみましょう。病院の混雑状況によっては、配慮してもらえる場合があります。
まとめ:まずは帰省に合わせたスケジュール調整を
遠距離介護を続けながら親の健康を守るためには、効率的な医療へのアクセスが不可欠です。
まずはインターネットを活用して実家周辺の「認知症疾患医療センター」や「専門医」の目星をつけ、迷ったら地域包括支援センターの知恵を借りましょう。次回の帰省のタイミングを逃さないよう、早めの情報収集と予約のアクションを起こしてみてください。


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